「時」に関する表現は、技術翻訳の重要な要素である場合が多く、翻訳には特に注意を要します。英語の「now」が意味するのはまさに現時点であり、2005年10月10日の「now」でも、後で述べる場合には「then」や「at that time」と表現しなければならないことが問題の根源の1つです。

例えば、「この時」のような単純な句でも、英訳時に問題が生じることがあります。「then」と訳すのが正しい場合もありますが、ある特定時点に起こっている事象を述べることに焦点が当てられている場合には、「then」を使うと、完全に誤解される可能性があるため、このような文脈では、「at this time」と訳すのが唯一の選択肢です。

それ以前から」に相当する英語表現としては、「even before then」が適切です。

次節以降では、翻訳者が「時」に関わる問題を理解していないその他の具体例を扱います。これらの例においては、必ずしも辞書に正解が載っているとは限らず、高度な英語知識が不可欠です。