「length (長さ)」、「width (広さ)」、「thickness (厚さ)」、「depth (深さ)」、「height (高さ)」など、基本的な寸法を伴う記述には十分な注意が必要です。その中でも特に留意すべき2点のうちの1つ目は、日本語と違って英語では、Aの長さがBの長さよりも「長い」、「短い」場合には、それぞれ「longer」、「shorter」ではなく、「greater」、「less」を使うのが文法的に正しい表現であるという点です。「length (長さ)」は名詞であり、同じ語幹を持つ形容詞とともに使うことはできません。両方一緒に使うと、英語では同語反復に当たります。

2つ目は、これらの寸法表現が、極めて基本的であるが故に相互排他的であるという点です。例えば、「large」を使って「height (高さ)」や「length (長さ)」を表現することはできませんし、「small」を使って「depth (深さ)」、「thickness (厚さ)」、「width (広さ)」を表現することもできません。比較がなされている場合には、「greater」および「less」を使うのが通例であり、その他の場合には、「considerable」、「modest」、「somewhat」、「significant」、「substantial」などの形容詞を使うのが便利です。寸法の変化や相違を表す場合には、「major」および「minor」を使います。

「Aの厚さはBの厚さより薄い」という一節を英訳するなら、

the thickness of A is smaller than that of B

でも

the thickness of A is thinner than that of B

でもなく、

the thickness of A is less than that of B

が適切です。同様に、「Aの厚さはBの厚さより厚い」ならば、

the thickness of A is greater than that of B

が適訳です。

「…より高さが大きい」という一節の適訳は、「the height is greater than …」です。

より厚く形成される」という一節の適訳は、「larger in thickness」ではなく、「formed thicker」です。

「Zより幅が細くなっている」という一節を英訳するなら、

the width thereof is smaller than Z

よりも、

a width thereof is less than that of Z

の方がはるかに正確です。