「It is said that」、「It is considered that」、「It is believed that」、「It is recommended that」、「It is assumed that」、そして「It is known that」は、節の先頭で「It」と動詞の受動態を組み合わせた構文の典型例です。否定文ですが、「It is not known whether」も同様です。

このような構文の翻訳時に多い誤訳の一例を紹介します。

「測定を推奨する」は、

it is recommended to measure

ではなく、

it is recommended that A be measured

です。一次翻訳の問題は、「measure」に対する主語がないことです。英語では、このような状況だと、動詞の受動態に仮定法を続けるしかありません。セクション87~91でも、能動態と受動態が混同した例を取り上げています。

「It is」構文と併用できる動詞は無限にあると考えている日本人翻訳者は少なくありませんが、そんなことはありません。誤りの多い分野ですので、日本人翻訳者は、英語圏で書かれた文章にもう少し注意を向ける必要があります。誤りの原因として最も一般的なのは「直訳」です。次節以降で、具体的な誤りをいくつか取り上げます。