43. 日本語の現在時制:「serves」と「constitutes」を使用した「である」「として」「を成すもの」の翻訳
「基質であるコレステロール」の適訳は、
cholesterol, which is a substrate
ではなく、
cholesterol, which serves as a substrate
です。これは、特殊な使い方をする日本語の現在時制を短絡的に翻訳しても英語では不適切になってしまうもう1つの事例です。本例では「serves as」が妥当であり、似たようなケースであれば、「which constitutes」も使えるかもしれません。
同様に、「品質管理の国際規格であるISO 9001の認証をX年に取得した。」という口頭の一節を訳すなら、
In X year we obtained ISO 9001 certification, which is of course an international standard for quality control.
が適切でしょう。この例に関して言えば、英訳に「of course」を加えるのが妥当です。この一言を入れないと、ISO 9001認証が非常に有名な品質管理の国際基準であるということ聞き手が知らず、話者が無礼な態度で無用な「教示」をしているかのような印象を与えてしまいます。
同様に、「ベルトの素材の繊維において」という一節であれば、
in a textile which is a material of a belt
ではなく、
in a textile that serves as a material for a belt
です。
「印刷機構部としてのサーマルヘッド」を英訳する場合も同様で、「として」は「serves as」と訳すのが最善ということが多いでしょう。この一節は、
「a thermal head as a printing mechanism ortion
とシンプルに表現するよりも、
a thermal head that serves as a printing mechanism portion
とした方が好適です。
「コンプライアンスの徹底は、企業経営の根幹を成すものです。」という一文の適訳は、
Strict compliance constitutes the very foundations of our corporate management.
です。
「Aは、回転によりBを取り外す装置です。」という一文の英訳としては、
A is directed for a device that is rotated to remove B.
よりも、
A constitutes a device that is rotated so as to remove B.
の方が適切です。この簡素な文でもやはり、「constitutes」の方が「is」よりも好ましい動詞です。