文頭の「そして」の訳出が稚拙な文を目にすることがあります。「further」や「furthermore」が概ね適訳ではありますが、「then」については特に注意が必要です。「then」は通常、時間的順序が明らかな場合にしか使えず、一般論を述べたり、単に新要素を持ち出したりする場合には使えません。一般的な文書であれば、「then」を使って新たな主張を打ち出すことももちろん可能ですが、特に技術翻訳においては、「then」を使うと、時系列に沿っていない場合であっても沿っているという誤解を図らずも与えてしまう可能性があります。したがって、特許出願書に記載されている請求項で「then」を使うことは厳に避けるべきです。「then」は、請求項では不適切とみなされる曖昧な表現なのです。