「一方」は、「on the one hand」や「on the other hand」と訳すのが必ずしも適切とは限りません。「moreover」または「furthermore」と訳すのが適切であることは少なくありませんし、「in contrast」または「however」と訳すのが良い場合もあります。

on the one hand」と「on the other hand」は、使用頻度の高い日本語の「一方」と比べてはるかに用途が限られており、2つの名詞あるいは概念が対比されている場合にしか使えません。したがって、翻訳者が「on the one hand」あるいは「on the other hand」という表現を使えるのは、対比されている2つの名詞あるいは概念をきちんと提示できる場合に限られます。日本語では、前述の要素や後述の要素と明確に対比させることなく、「一方」という表現によって新しい要素を提示することが少なくありませんが、英訳する場合には、「on the one hand」や「on the other hand」を使うのは避け、適切な訳を見いだすことが重要です。