7. 日本語化された略語と独特の記号
翻訳や海外向けの文章に何らかの形で携わる人は、日本語で使用される「NG」(あるは時々使用される「NOK」)などのイニシャルが、英語でも全く同じように使われているわけではないということを心得ておく必要があります。この表現は、状況に応じて様々な翻訳が可能ですが、「unacceptable」が該当する場合が最も多いでしょう。
「NG判定」を英語で表そうとすれば、
judged as NG
ではなく
a negative judgment is given
です。
これに対し、「OK」は英語でも使用されますが、この表現も、必ずしも日本語と同じように使われるわけではないので、やはり細心の注意が必要です。英語では、「OK」が正式な書面で使用されることはほとんどなく、形容詞として使用された場合には、日本語で使用される時のような前向きな響きとはやや異なるニュアンスを帯びます。英語としての「OK」の意味は日本語の「まあまあ」に近く、言い換えれば、「悪くはないが特に優れているというほどでもない」という感じです。日本語の「OK」は「acceptable」で表すのが最適というケースが最も多いでしょう。
「…選択したコンテンツおよびその利用方法をチェックしてOKのときに…」という一節を英訳するなら、
If OK in circumstances where the contents are satisfactory and effective ways of making use of them exist
ではなく、
check the contents that have been selected and ways of making use thereof, and …
です。この例は、日本語では「OK」でよくても、英語の場合は筆者が意図する内容を正確にスペルアウトすることが重要であるということを表しています。原則として、正式な英語の書面では「OK」を使わないようにしましょう。
もう1点、日本語で使用される2つの記号「○」と「×」について一言。英語圏ではこれらの記号が一般に理解されないため、日本のことを直接知らない読者を想定した文書では使わない方が良いでしょう。