ノートパソコンが翻訳に適さない最大の理由は、キーボードです。

ノートパソコンは携帯性が最大の特徴であることから、必然的にコンパクトであることが求められ、キーボードも例外ではありません。

しかしパソコンがコンパクトになっても人間はコンパクトになってくれないので、ノートパソコンを使おうとすると、どうしても縮こまってキーを叩くことになります。

1日に2000ワード訳す翻訳者の場合、日本語にしてだいたい5000文字くらいを打ち込んでいることになります。ローマ字変換で日本語を入力する場合、1文字で概ね2ストロークですから、それだけでも1万回くらいキーを叩いていることになります。

当然のことながら、翻訳するには検索も不可欠ですし、取引先にメールを送ったりすることもありますから、平均的な職業翻訳者であれば、1日に15000回くらいはキーボードを叩いていることになるはずです。

しかもそれが毎日続くわけですから、劣悪なキーボードは、翻訳者の肩や首筋、手首を確実に痛めます。翻訳者にとってキーボードは、パソコンそのものよりも重要なツールであると私は考えています。

毎日15000回も叩くわけですから、どんなキーボードを使っても影響は避けられないのですが、翻訳者としての寿命をのばすために、身体への負担は少しでも減らしたいものです。

私が長年愛用しているキーボードは、マイクロソフトの Wireless Natural Multimedia Keyboard というやつで、もう10年以上使っています。下に写真を載せました。

MS_Wireless_Natural_Multimedia_KB

残念ながらこのキーボードはもう市販されていませんが、後継機種が出ているようです。

このウェーブ型配列のキーボードは、慣れるまでに少し時間がかかりますが、手を自然な形でキーボードに置けますので、慣れると本当に楽です。

ワイヤレスタイプですと 1 万円強ですので、少々値は張りますが、キーボードはパソコン本体よりも長く使用するツールですので、正しい投資先と言えるでしょう。慣れるまでの1~2週間を乗り越えられるかどうかがポイントです。

ちなみに私は右利きなのですが、上図に示すとおり、マウス左手で使います。このキーボードは横幅が広く、テンキーの右側に置くと遠すぎるからです。最初はつい右手を動かしてしまいますが、3日ほどで収まり、1週間もすれば、範囲選択など細かい作業もできるようになります。10年以上経った今では、右手でマウスを使うことのほうが億劫です。

一般的なキーボードは、テンキーだけでなく、Enter キーや Delete キーなども右側に配置されており、必然的に右手で叩くことが多いので、マウスは敢えて左手で使うのが、左右のバランスという観点からも良いでしょう。