当然のことながら、不可算名詞に代表されるいくつかの名詞は、常に単数形で使用されます。「movement」、「obstruction」、「immigration」、「water」、「oxygen」、「steel」、「air」、「copper」、「embroidery」、「chewing gum」などがその具体例です。なお、「刺繍」を意味する「embroidery」は汎用名詞であり、一品の刺繍を「an embroidery」と表現するのは正しくなく、「an item of embroidery」や「a piece of embroidery」を使用します。

 

間違いの多いもう1つの不可算名詞が「スタッフ」です。英語のstaffは、組織の従業員を意味する単複同形の単語です。米国では「staffer」という単語が用いられますが、英国では使用されていません。また、「Staffs」も使われておらず、「members of the staff of an organization」という表現が広く使用されています。この表現は、「staff」という単語が持つやや珍しい性質を端的に表しています。

 

同様に、「各種情報」についても、「various information」ではなく、「various items of information」とします。日本人翻訳者は、この例が示すような英語の根本的性質をきちんと身に付けることが大切です。英語の「information」もやはり不可算名詞であり、数量的な観点から「information」を定義する場合には、「item」などの単語を合わせて使用することが不可欠です。

 

また、一部の日本人翻訳者は、「research」が不可算名詞であり、複数で記述する場合、あるいは複数であることを示唆する場合でも「research」であって「researches」ではないということを認識していないようです。調査の回数を正確に記述することが必要ないし望ましい場合には、「five items of research」や「five pieces of research」などとするのが正しく、もう少し広い範囲で論じられているのであれば、「five fields of research」とします。

 

同様に、「クリーニング回数」の正しい訳は「instances of cleaning」です。

 

「拒絶理由通知書」は、

Notice of the Reason for Rejection

ではなく、

Notice of the Reasons for Rejection

です。これは初歩的なミスです。

 

また、「AとBのから」も、

from a viewpoint of A and B

ではなく、

from the standpoints of A and B

です。

 

「多くの子供が戦争に関連した病気で死亡した。」は、

Many children died from war-related disease.

ではなく、

Many children died from war-related diseases

です。一般的な概念として述べるのであれば

Many children died from disease

も可能ですが、戦争に関連する病気について具体的に述べるという意図であれば、一般的概念としての病気ではないので、このような状況では複数形で言及するのが自然です。